佐野藤右衛門先生 国立でご講演

本会がイタリアに寄贈している櫻子ちは、すべて実生櫻(種から育てた櫻)ですが、その親にあたる桜たちは、多くが国立市の桜たちです。毎年春、国立市は、街いっぱい大木の桜の花弁に包まれ、やさしい桜色に染まります。

今月はじめ、国立の老舗酒店・せきや様主催により、京都の造園業「植藤造園」当主の佐野藤右衛門先生の講演会が国立で開催されました。日伊櫻の会では、本講演会のオーガナイズをお手伝いさせていただきました。

 

 

佐野藤右衛門先生は、桜守として、全国各地の名桜・老桜の調査研究をされ、
多様な桜の品種の育成と保護に大変尽力されてこれらた方です。
また桂離宮や修学院離宮などの整備を手がけるほか、イサムノグチが設計したパリのユネスコセンターの造園に携わるなど、国内外において多くの功績を残されてこられました。

今年、国立市が市制50年を迎えることを記念して、せきや様が、古都・京都から「祇園枝垂桜」と「平安神宮紅八重枝垂桜」を国立へ植樹したご縁で、桜守・16代佐野藤右衛門さんと国立とのご縁が生まれました。


国立に植樹された「祇園枝垂桜」

国立市の桜たちは現在大変美しく咲いていますが、佐野先生によれば、かなりのご高齢の桜たちだとのこと。桜には、年を重ねたからこそ出せる魅力があるといいます。
その美しさは、色気ではなく、色香。若々しいときに発しているような魅力ではなく、時を経たことによって放たれる香りたつ美しさが、姥桜にはあるとお話しされます。

しかしながら、国立市の桜たちが、あと何年花を咲かせ続けてくれるかは、喫緊の課題とのことです。現在の桜の美しさを楽しむだけでなく、今から、次の世代のことを真剣に考えていかなければならない、というお言葉をいただきました。

講演会には多くの市役所職員や議員の方々、また本会会員の国立桜守の大谷和彦さんもいらっしゃり、国立の桜たちを今後どうしていくか、真剣に考える場となりました。

右:国立桜守・大谷和彦さん

素晴らしいお話しを聞かせてくださった佐野藤右衛門先生、本当にありがとうございました。