サンマリノTERAKOYA

★お知らせです★
来る、4月19日、日伊櫻の会も大変お世話になっている渡部商店さんで、
サンマリノTERAKOYAが開催されます!
渡部商店の渡部麗さんは、歴史好きの方々の交流の場として、また歴史をおもしろく、わかりやすく学べる場として、「レキシズル」を立ち上げ、定期的にTERAKOYAイベントをされてこられました。
そのレキシズルのTERAKOYAが、日本をこえて、イタリアにある世界最古の共和国、サンマリノTERAKOYAを開催します!

実は今年、このサンマリノに、日本の神社の全面的なバックアップを得ながら、”サンマリノ神社”が建立されることになったのです!
TERAKOYAには、当日、サンマリノ共和国大使のカデロ大使がいらっしゃります。
そして、この度「日伊櫻の会」の櫻たちも、この神社の境内に寄贈される予定となりました。

実は本会では、以前からサンマリノ共和国とありがたいご縁を頂いていました。

今から3年前の2011年、その年は東日本大震災のあった年でした。
震災後にサンマリノ共和国のサンタ・キアラ教会に、在イタリア日本大使館を介して本会の桜が”鎮魂の桜”として植樹されました。サンタ・キアラ教会を始めとして、サンマリノ共和国には、本会の桜が合計100本寄贈されているのです。

サンマリノにおける桜植樹に関する在イタリア日本大使館の記事→
http://www.it.emb-japan.go.jp/nihongo/kouhoubunka/sanmarino_ciliegi.htm

このように、本会は以前よりサンマリノ共和国とご縁があったのですが、今年、サンマリノ神社が設立されるにあたって、再び本会の桜が寄贈される運びとなりました。

 

TERAKOYAでのプレゼンの後は、特別ゲストとして林家錦平さんが落語をご披露されます。
さらに、当日日伊櫻の会の会員、森玖実子さんがオーナーを務めるレストラン”BOSCA”(当ビル1F)が、 サンマリノに関連した美味しい料理を販売提供します!

是非、皆様足をお運びください★

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■開催日
4/19(土)Open:16:00〜21:00
17:00〜プレゼンスタート

木戸銭(ワンドリンク付)
【事前予約】3,500円
【当日】4,000円

■場所:レキシズルスペース
東京都千代田区神田駿河台3-3 イヴビル3F
(株)渡部商店オフィスの中にあります。
地図:http://www.nabesho.net/gaiyou/map.html
(渡部商店さんのオフィスは、本会と同じビルにあります。)

 

事務局が引っ越します!

日伊櫻の会を応援下さっている皆様へ

みなさま、大変ご無沙汰しておりました。
4月を迎え、東京は桜が満開です。まさに、春爛漫といった季節です。

この度、日伊櫻の会の事務局は引っ越しをし、新しいオフィスに移動となりました。
場所は以前と同じEVEビルディングなのですが、 4Fへの引っ越しです。
今回のオフィスは、一面ガラス張りのフロアですので、日の光もたくさんはいってくる気持のいい場所になりました!
また、こちらのフロアは今後、シェアオフィスとしても皆様に活用していただけるよう、現在準備中です。

新住所:
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台 3-3 イヴビル 4F
TEL:03-3293-2012 (代表)
FAX:03-3293-3315
*電話番号、FAX番号はそのままです。

御茶ノ水界隈にお越しの際は、是非、遊びにいらして下さい。
また、4月26日には、オフィス転居も記念して、イタリアの”食”をわいわい楽しめるイベントを現在計画しております。楽しみにしていて頂ければと思います。

詳細は、近日中にUPしますので、是非みなさま、26日の夕方のご予定をあけていただけると嬉しいです!

フィレンツエ在住の本会メンバー中川章子さんより、トスカーナ・シエナの桜
の写真が届きました!
イタリアの櫻たちも、元気にすくすくと育っています。

 

今年もありがとうございました。

 

早いもので、2013年ももう残すところ、あと数日となりました。
振り返れば、10月には フィレンツエ、ルッカ、サンマリノに植えられた櫻たちの視察も行く事ができました。また、10月22日には、群馬県甘楽町とトスカーナチェルタルド市の姉妹都市交流協定の締結30年を記念し、本会の櫻がチェルタルド市に植樹され、その植樹式に参加させて頂きました。

元気にすくすくと育つ櫻たちとともに、その櫻を育て、愛して下さるイタリアに暮らす人々にも、数多くお会いすることができました。
こうした活動が可能になりましたことも、本会を応援して下さいました、皆様のお陰です。心より、感謝申し上げます。

イタリアに渡った日本の櫻たちが、日伊の豊かな文化交流と、そして子供たちの交流に繋がる明日に向かって、更に元気に成長することを願いながら、新たな気持で来る年を迎えたいと思います。

皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

イタリアに日本の櫻を植樹する会事務局

フィレンツエ市に寄贈された櫻たちです。市内の公園に植樹されます。


サンマリノの風景
サンマリノのサンタキアラ教会の庭にも、植樹されています。

右:甘楽町茂原町長、右から二番:Certaldo市長、左:イタリアに日本の櫻を植樹する会渡部会長


群馬県甘楽町と、トスカーナCertaldo市の姉妹都市30周年を記念して、本会の櫻たちが寄贈されました。


 

小澤真智子&NYアーバンタンゴ〜踊りのリズムに乗って〜ニューヨークの風

 

晩秋の季節となりました。木々の葉も色づきはじめ、いよいよ、冬の気配が漂い始めています。
この度ご紹介するのは、本会会員であられる小澤美智子さんのお嬢様、小澤真智子さんのコンサートです。
小澤真智子さんは、現在NYを拠点に活動されているヴァイオリニストでらっしゃいます。

今回の講演では、ダンスにまつわる音楽を軸にプログラミングされたとのことです。前半はクラシカルに、後半はタンゴに。タップもタンゴも!という企画です。
真智子さんの情熱的なヴァイオリンの音色に、心躍らせる時間を、是非お楽しみ下さい。

DANZARIN~踊りのリズムに乗って〜ニューヨークの風

URBAN TANGO DUO from New York City
by Machiko Ozawa(violin/tap dance) and
Octavio Brunetti(piano/arrangment)
小澤真智子(ヴァイオリン/タップダンス)、
オクタービオ・ブルーネッティ(ピアノ/編曲)

2013.11.10 [日] 有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)午後2時開演
2013.11.11[月] 鎌倉芸術館 小ホール(JR大船駅東口)午後7時開演

 

秋の季節となりました。

ご報告 イタリアに渡った櫻たちを尋ねて —シエナ・ルッカ・ボローニャ—  

初秋の候、ますますご健勝のほどお喜び申し上げます。

ご報告が大変遅れてしましましたが、去る4月から6月にかけてのイタリア・ピザ市滞在中に、「イタリアに日本の櫻を植樹する会」が各自治体に寄贈致しました櫻たちが、現在どのように成長しているのか視察するため、シエナ市、ルッカ市、ボローニャ市を尋ねて参りました。

シエナ市の櫻たちは、Unita d’Italia公園に、ルッカ市では城壁沿いに位置する市立ホステル(ostello della gioventu)の庭に、ボローニャ市ではマルゲリータ公園、チェッドリー公園にそれぞれ植樹されていました。

いずれの自治体におきましても、日本の櫻を日伊友好関係の証とし、丁寧に心を込めて育てて下さっていました。そのため成長も早いようで、既に3メートル程に櫻たちは成長していました。イタリアの豊かな風土が、日本の櫻たちにとっても好ましいものであることが見受けられました。

特にシエナ市、ボローニャ市におきましては、植樹を記念するプレートを櫻の木々と共に自治体が設置して下さり、日本の櫻に対する深い関心と愛情を感じることが出来ました。
今回私が訪れることが出来たのは三つの自治体でしたが、サンマリノ共和国などの地域にも櫻たちは渡っています。また、現在、その他の自治体様とのご縁もあり、それらの地域との話し合いも重ねております。
こうした活動に重ねて、本会は今後も継続的な櫻の視察を行い、その成長状況について確認していきたいと思います。

この度は、会員の皆様による御支援金により、イタリアの櫻たちに会う事が実現致しました。

尚、おかげさまで、本会も発足して1年を迎えます。今後とも、イタリアに渡った櫻たちが、日伊友好のシンボルとして健やかに成長していくことを、今後とも会員の皆様に見守って頂きたく、何卒ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 

沢辺 満智子

ボローニャ市・チェッドリー公園

イタリアの櫻子たち Bolognaから

  5月になってもイタリアは、なかなか気温が上がりません。
例年なら、半袖を纏い始め、始まる夏に心躍る季節ですが、待ち行く人々はジャケット、スカーフに身を包み、未だ来ずの夏を待ちわびながら、肌寒さをしのいでいます。「今年の気候はなんだかおかしい」人々は、口を揃えてそう言っています。

 雹が降る程に寒かった土曜日と打って変わって、幸いにもボローニャを訪れた日曜日は快晴。櫻たちが植えられている公園までは、しばらく駅から歩かなくてはならないので、ほっと胸を撫で下ろしました。雨に打たれる中で櫻子たちに出会うより、やはり陽の光を浴びた櫻子たちに会いたいものです。広がった青い空は、暖かな紅色をした古都ボローニャを引き立てていました。

 

 Centroから螺旋状に張り巡らされている柱廊を歩きながら、目的地のマルゲリータ公園に向かいます。ボローニャの道は、どこまでも柱廊の道。その昔、各々の店は、少しでも自分の作業場を広げるために、この柱廊下まで仕事場を延長させていたそうです。建物ごとに微妙に異なる色、デザイン、マテリアルを持ったそれらの柱廊の下を歩き続けていると、まるで中世にタイムスリップしたかのような錯覚に捕わます。石畳の道に出来た柱の影を一つ、二つと数えながら、この道でモノ作りに励んだかつての職人たちに思いを馳せれば、あっという間に目的地まで歩いてしまうものです。

 

  櫻子たちが植えられている場所は、市民の憩いの場であるマルゲリータ公園とチェードリ公園。今回は、ボローニャ在住の折り紙作家の清水みのりさんに、Centro近くにあるマルゲリータ公園まで、駅から案内して頂きました。清水さんは、イタリア在住の日伊櫻の会の会員でらっしゃいます。
 到着したマルゲリータ公園は、成長した緑の葉に一面包まれ、休日を楽しむ家族や若者で賑わっています。公園に響いているのは、芝生の上ではしゃぐ子供たちの声や、様々な鳥の鳴き声、”チリンチリン”という自転車のベルや、ジェラートを片手になされるイタリア人のおしゃべりなど様々ですが、大変この公園は広いため、静かな緑の中での散歩を楽しむことができます。

 

 そんな公園の一角で、櫻子たちはすくすくと育っていました。
 芝生が一面に敷かれた開けた場所に、Comune di Bolognaが作ってくださった柵があり、その柵の中で櫻子たちは大切に育てら、大きく成長していました。櫻こそ終ってしまっていましたが、まだ小さな櫻子たちでも、立派にまっ赤なチェリーをかわいらしく実らせていました。櫻子の木の背後には、芝生の上に並べられた色とりどりのアスレチックで遊ぶボローニャの子供たちがのぞき、この子供たちの成長とともに、櫻たちも大きくなって、何十年後に日本の櫻のように大きな木になる姿を思い浮かべました。

 

 
マルゲリータ公園にて
Comune di Bologna による植樹の記念プレート

 

 今回、ボローニャを案内くださった清水みのりさんは、ボローニャ在住の折り紙作家さんでいらっしゃいます。清水さんが、創作活動を本格的に始めるきっかけになったのは、2011年の東日本大震災だったそうです。震災後、日本のためにイタリアから何か出来る事を、と考えられたとき、脈々と続く日本文化である”折り紙”を思い、本格的に創作活動を開始されたそうです。特に、作品では櫻をモチーフすることが多いということで、日本から櫻がボローニャに渡ったことを、大変喜んでくださりました。
 清水さんの作る櫻は、ひとつひとつの花びらも手で折られることから表現されます。それは大変繊細で、細かい作業の積重なりと言えます。清水さんのおばあさまが、折り紙作家さんでいらっしゃり、小さい頃に手を介しておばあさんから教わった折りが、今でも不思議と手に残っているのだとおっしゃっていました。震災という大きな破壊を経験しながらも、その破壊を越えて次代に続いて行くものがあり、時にそうした文化の繋がりは、日本という土地を離れた場所で展開し得るということを、教えて頂いたように思えました。
 ボローニャに櫻の木が植樹されたのも、2011年の2月、震災の一ヶ月前だったことを思い返しました。

 

 イタリアで生活を初めてまだ2ヶ月ちょっとと少ないですが、それでもこの国の生活を通して常々感じれることがあります。
 それは、自分という一人の人間が、永い永い人類の歴史のほんの瞬間しか生きていないということであり、同時に、その瞬間として文化を生き、文化を繋ぐことから、人類の永い歴史を生きることが出来るということです。イタリア人の生活を取り囲む、食、建築、芸術など、あらゆるものは現在そこにあると同時に、遠い過去の歴史と必ず繋がっています。文化や伝統を守り、繋ぐということが、日常を当たり前に暮らすということとイコールにあるのかもしれません。大きな破壊を経験した震災後の日本が、こうしたイタリアの価値観から学べることは少なくないように感じます。
 清水さんとお別れした後、マルゲリータ公園の先にあるSaint Michele in Bosco教会までのぼってみました。街を見守るかのように丘の上に静かに建つその教会からは、紅色のボローニャを一望することが出来ます。街中のどこかの教会から奏でられる鐘の音が、遠くに聞こえました。
 日伊という遠い距離を越えて、繋がり続ける日本の文化に寄りながら、櫻子たちが成長していくことに思いを馳せて、古都ボローニャを後にしました。

 

チェードリ公園の櫻たち(清水さんのお友達より写真を提供いただきました。)
赤い実をつけた櫻たち チェードリ公園にて(清水さんのお友達より写真を提供いただきました。)

 

清水みのりさん、ボローニャをご案内下さってありがとうございました。

 

沢辺

イタリアの櫻子たち  Luccaから

私が現在すんでいるのはPisaですが、そこから電車で約20分でLuccaの街にたどり着きます。

城壁で囲われた小さな古都 Lucca。25度を超える、雲一つない快晴の休日に訪れたためか、街は太陽を浴びようと繰り出す人々で賑わっていました。一時間強で、Luccaの中心地を囲む城壁をぐるりと一周してしまい、改めてその街の小ささを感じながらも、その小ささがまた大変かわいらしく、愛しく思えるほど、Luccaの街は美しいものでした。


 

中心街を一回りし終わると、Luccaの櫻子たちを管理してくださっているGianluca Pardini先生に会いに行くため、ルッカ・イタリア料理学校(Scuola di Cucina)に向かいました。

Scuola di Cucinaの校長Gianluca先生は、過去に日本で仕事をされた事もあり、またイタリア料理を勉強するため留学する多数の日本人生徒を学校で受け入れている為、日本と関係が深く、本会の会長、副会長とも長年のおつきあいをもたれていました。
毎年、定期的に日本に訪れては、イタリアレストラン(リストランテ文流)でその腕を振るっていらっしゃいます。

料理学校にいく道程は、両側が大木に包まれた美しい小道で、静寂の中に春の小鳥たちの鳴声が響いていました。所々に見える、オリーブ畑、果樹園、それらの手入れされた畑は、暖かい日の光を浴びて健康的に輝いていました。
おそらく道際にならぶ大きな家々は、中世の富豪たちの別荘地だったと思われますが、それらの家を現在も活用しながら人々が暮らし、畑の手入れなどを行っているようでした。
遠くの丘に見える白く色づいた木々は、イタリアの櫻です。離れてみれば、それは日本の山桜のようにも見えますが、こちらの櫻は、さくらんぼがなる櫻の木です。

 

更に小さな道に入ると、両サイドは煉瓦で作られた高い壁になり、強い日差しも遮られて、涼しさの中で中世にタイムスリップしたかのような気分になります。その壁が終った所、つまり小道の終わりに料理学校があります。

視界が開けると、目の前にはチューリップ畑が、その先の斜面に作られた畑では農家が仕事に勤しみ、目を凝らすとそこにはロバもいて、思わず駆け寄ってしまいました。そのあまりに美しい光景を目にして、しばし呆然としてしまったほどでした。
また、学校へのエントランスまでの道の両サイドには、まだ小さな櫻子たちが、きちんと整列して来客者を迎えてくれていて、イタリアの暖かい日を浴びて、ピンク色の花が咲いていました。

 




 

この日、私はGianluca先生のお言葉に甘えて、学校の生徒さんたちに混じって夕ご飯をご一緒させて頂けることになりました。日本の生徒さんたちもたくさんいらっしゃり、みなさんイタリア料理や語学の勉強でお忙しいなかにも関わらず、突然の訪問客である私を快く迎えて下さり、とてもありがたい思いでした。

夕ご飯の料理のお手伝いをさせていただきながら、イタリアの伝統料理も色々と教わる事ができ、勉強になる時間をすごさせていただきました。
特に、イタリアの伝統菓子であるDolce di paneは、名前の通り”パンのケーキ”ですが、イタリアでは残ったパンを使ってそれをケーキにするそうです。レモンやラムレーズンなどのテイストがしみ込んだDolce di Paneを食事の最後に堪能させていただきました。

学校には、日本人以外にも、ギリシャ、イタリアから生徒さんがいらっしゃっており、様々な経験や選択を経た皆さんと囲む食事の時間は、あっという間に楽しくすぎてしまって、気付くと終電の時間が迫り、Pisaへの帰路に慌てて着きました。
GIanluca先生には、お忙しい中最後まで大変親切にしていただき、心から感謝申し上げます。また、Scuolaでイタリア料理を学ぶ皆さんと、イタリアや日本、または他の国のどこかでいつか会えることを楽しみにしながら、Luccaを後にしました。

Luccaの穏やかでやわらかい春の日差しを浴びながら、 櫻たちが元気に育っていたことが嬉しく、またその櫻を訪れることで、そこに暮らす人々と出会う事ができることが、さらに一層、櫻がそこに咲いていることの意味をもたらしてくれるのだと思えました。

今回は、料理学校に植えられた櫻子たちに会いに行きましたが、実はLuccaには、更に街の中心地、mura(城壁)にも日本の櫻の木が植樹されています。
この櫻子たちにつきましては、また改めてこちらで紹介させていただきますので、楽しみにして頂ければと思います。

Gianluca先生、お忙しい中、快く迎えて下さり、本当にありがとうございました。
Grazie mille. La ringrazio di cuore.

沢辺

イタリアの櫻子たち Sienaから 

4月6日、真っ青な空が広がる快晴の土曜日、トスカーナ州の古都シエナに到着しました。

 

Siena, Piazza del campo

Siena Stazioneに到着すると、シエナ市在住でシエナの櫻子たちを土地で見守って下さっているBenitoさんが、まっ赤なFIATに乗って到着を待っていて下さいました。

Benitoさんは、シエナにあった料理学校の運転手として長年働かれており、その学校にはたくさんの日本人が生徒として通っていました。
車の中でBenitoさんに見せて頂いたアルバムには、数えきれない程の日本人との写真が大切にしまわれていました。
日本が大好きだとおっしゃるBenitoさんとともに、櫻たちが植樹されているシエナ市立公園に向かいます。

駅から来るまで10分もしないうちに、たくさんの子供たちが楽しそうに声を上げて遊んでいる広く美しい公園に到着しました。
公園は広大な斜面にそって作られており、その見晴らしのよい一番高いところに、60本の櫻たちがしっかりと、静かに整列して、根付いていました。

公園に植樹された60本の櫻たち

Benitoさんと櫻たち

シエナ市が作って下さった、櫻の記念プレート
”生まれたすべての子供たちへの 木” と名付けられています。
2007年にイタリアに送られたことを記念しています。

まだ子供であるこの櫻たちが、数十年後、日本の櫻のようにしっかりと土地に根を張って大きくなり、そして毎年訪れる春に豊かに花開き、公園で遊ぶ子供たちを優しく包みこむ姿が、脳裏に浮かびました。

木は、ゆっくりと、しかし着実に土地の栄養を身体にしみ込ませながら、しっかりと成長していきます。
シエナという土地と、その土地の人々にこれからたくさん触れ合い、成長する事で、いつか日本の櫻の木々が花をさかせて、イタリアの人々に喜びを与えてくれる木々になってほしいと思いました。

Sienaの櫻子たちに会った後、私はBenito家の長い長い昼食にお招きいただきました。全て手作りの、パエリエ、pesce(魚)のトマト煮込み、レンズ豆の煮込み、そして最後はエスプレッソのジェラート。どれも愛情が込められて作られており、大変な美味でした。
更には、食後は消化のためにということで、これまた手作りのcaffe入のグラッパ、オレンジのラキなどを頂き、イタリアの家族の長く豊かな食卓を体験させて頂きました。
終始食事の間は、Benito夫妻は日本にいらしたときの思い出を語って下さりました。 日本の食事、着物、寺や神社などに訪れたときの感動を、今でも忘れる事が出来ないと語って下さり、大変嬉しい思いでした。


イタリア人は、家族を大事にすると、どこでも耳にします。日本では、大都市で一人暮らしをする人が何年間も故郷に帰れないことがあると話すと、全く信じられない、と驚かれます。どうして帰らないのか、と。
楽しい時間をともに、長く共有することが家族の絆を深めることであり、またそれこそが家族であるならば、”共に食べる”という時間は、生活の中でももっとも重要な時間です。その時間を長く、豊かに取るイタリアにおいて、家族が強い絆で結ばれるのは自然なことだと思えました。

シエナ市の櫻が大きくなったら、木の下で、花を見ながら食事をしたいですね、と話しながらBenitoさんとお別れをしました。

Benitoさんの家に植えられた、櫻の木

Benitoさん、Sienaの櫻子たちを案内して下さり、また豊かな時間を共に過ごさせて頂きまして、本当にありがとうございました。これから、Sienaの櫻たちが成長して行くことが楽しみです。
沢辺

春を迎えたトスカーナから

復活祭の翌日(2013年4月1日) フィレンツエにて

 

 

先月末、満開の桜に見送られながら成田で飛行機に乗り込み、イタリアに入りました。現在ピサに滞在しています。日本から、イタリアに植樹された櫻たちに会いに、またイタリアの絹文化を研究するために、6月下旬までこちらに滞在する事となりました。

これからの約3ヶ月の間、イタリアに広がっていった櫻子たちと、そしてその櫻子たちを支え、愛して下さっているイタリアの人々に会えることが大変楽しみです。

ボローニャ空港からイタリアに入った先月末は、気温が10度前後というとても寒い天気でして、東京に比べてまだまだイタリアは春が来ていないな、という気がしていました。

先週、本会会長が長年、日本料理店を営んでいたことから関係が深いトスカーナ・フィレンツエに入りました。フィレンツエには、100本の櫻たちが植樹されています。
フィレンツエに着いたころから気温は段々上がりはじめ、トスカーナもやわらかな春の陽気に包まれはじめていました。そして丁度、私は日伊櫻の会(SEMAIA)のメンバーである、太田と共に、フィレンツエにて復活祭を迎えることになります。

3月31日、復活祭の朝。クリスチャンの国であるイタリア・フィレンツエでは、Duomoの前にフィレンツエ市民や観光客の人だかりが出来ていました。”SCOPPIO DEL CARRO”(山車の爆発)が行われるからです。復活祭の朝は、天気はよいとは言えず、ぱらぱらと雨が降っています。私たちも、儀式を拝見するために朝から最前列に並びましたが、傘をさしながら儀式の開始を待ちました。

しかしScoppio del Carroが、花で飾られた白の雄牛によってDuomo前に運ばれ、大量の爆竹がそれに設置されていき、そしてDuomo中から鳩(紙で作られた)によって運ばれてくる火がそこに付けられると、辺りは大きな歓声に包まれ、雨も止み光がさしました。

大量の白煙に包まれながら火花を放つ火車の姿を眺めながら、この儀式を長く継続し続けて来たフィレンツエ市民の郷土への愛と誇りを感じることが出来ました。

地域の文化が、長きに渡って市民たちの手により、愛され守られてきたこと、それが歴史を作っていることを強く感じることができ、こうした土地に櫻たちが根付いていることに、感激しました。

フィレンツエ、ピストイア、シエナ、ルッカなど、トスカーナの中だけでも、多くの土地で櫻たちが根付いています。
それぞれに素晴らしい歴史と文化を持った土地で、力強く成長している櫻にこれから会うのを楽しみに、こちらでの生活が始まります。

今週末は、まずシエナに向かいます。
こちらでシエナの櫻たちを見守って下さっているベニートさんと共に、櫻たちに会って参ります。それらの情報は、逐一、このブログで皆様にお伝えしますので、どうぞよろしくお願い致します。

沢辺満智子

 

すうじのお茶会〜櫻の香り〜 開催しました。

3月16日、東京では櫻の開花が伝えられました。

春の訪れが告げられたその日、櫻の会御茶ノ水サロンにて、ジュエリーアーティストである大嶋櫻子さんをお迎えし、「すうじのお茶会〜櫻の香り〜」を行いました。

大嶋櫻子さんは自らのビーズジュエリーの制作を通して、数と色、そして言葉の関連性を研究され、コズミックナンバーを生み出されました。参加して下さった皆様は、櫻子さんのその洗練された、かつ優しさに包まれた感性に触れながら、みずからのコズミックナンバーを知り、それを色や言葉のコラージュを通して、形にしていきました。これから新しい春を迎えるにあたって、それらの数はきっと、一人一人の中で優しく輝きを増して行くのだろうと思います。

櫻の会がイタリアに植樹した櫻、はじめてフィレンツエの地で咲いた桜は、”大島櫻”でした。そして、偶然にも櫻子さんのお名前も”大嶋櫻子”。
偶然とは思えない、貴重なご縁を頂いて、昨日、櫻が開花した日にワークショップをして下さいました。
大嶋櫻子さん、本当にありがとうございました。